top of page

~身体について~

このページでは、身体に対する当院の考えを紹介しています。

マニアックであったり雑学的な部分もあるかと思いますが、興味のある方はご覧ください。
また、同業者の方や身体に関わるお仕事をされている方で、ご興味を持たれた方がいらっしゃれば 意見交換等も是非やらせていただきたいと考えております。
本ホームページの『お問い合わせ』からご連絡ください。

Fascia (ファッシア、ファシア、膜)

Fascia に対する適切な訳語が、現在 本邦では定まっておりません。

Fasciaを「筋膜」と訳すことが多いのですが、後述するように FasciaとMyofasciaが混同され 、誤解を招く要因となりますので

ここでは、 膜」 (ファシア)​ と標記させていただきます。

膜(ファシア)

膜(FASCIA、ファッシア、ファシア)とは 繊維性の結合組織

この結合組織が、内臓 神経 骨 筋肉 血管 等、体全体の大きな組織から小さな組織まで 表層から深層まで覆い
体内の組織を区分けしつつ 必要に応じて お互いを繋げています。

この膜(ファシア)がどこを覆ってるかで
髄膜(硬膜、クモ膜、軟膜)、筋膜、骨膜、腱(膜の集合体)、胸膜、心膜、腹膜・・etc.
固有の名前も決まりますが
すべてが膜(ファシア)の一種なのです。

膜(Fascia、ファシア)

線維性の結合組織

心膜

腹膜

胸膜

筋膜

骨膜

髄膜

etc. すべてが「膜」の一種

20191225_104647_edited.jpg

従来の解剖学は、組織をより分けてどこに何があるかハッキリさせる発想がメインだったため、組織同士をくっつけようとする膜は重視されない傾向にあったようですが、最近は見直されつつあります

「膜」(ファシア)は筋骨格系?

「膜」だけにしても
その生き物の形になる?

ペンギン2_edited.png
Screenshot_20230113-211343~3_edited.png

イメージ

「膜」(ファシア)だけにしても
 その生き物の形がそのまま残る

と言われています。

(体全体の組織を 表層から深層まで立体的に包み込んでいるため)

​この状態は「全身を覆うスエットスーツ」「全身タイツ」に例えらることが多いのですが、全身かつ表層から深層まで各組織を包んでいるという状態は「スポンジ」のほうが適していると考えます

DSC_4948.jpg

発生学的にも
膜(ファシア)は、筋・骨格系と同じ 「中胚葉」です

すべての組織や器官は、各胚のどれかに遡れる

成長してからも 同じ胚から分化した組織はリンクしています。

当院の臨床の経験上 お肌(皮膚)の状態は、脳のコンディションを反映していることが多いです

胚葉

分化する主要な組織・器官

外胚葉

神経系 (脳・脊髄・末梢神経)

皮膚(表皮・毛・爪・皮膚腺)

感覚器(視・聴・平衡・味・嗅覚器)

中胚葉

骨格系 (骨・軟骨・結合組織)

筋系 (横紋筋・平滑筋)

循環系 (心臓・血管・リンパ管・血液)

泌尿生殖系(腎臓・精巣・子宮・卵巣)

内胚葉

消化器 (胃・腸・肝臓・膵臓)

呼吸器 (喉頭・気管・気管支・肺)

尿路 (膀胱・尿道)

【膜(ファシア)を椎間板のような骨格系の一種】と解して、骨格標本に取り入れるとしたら・・

ペンギン2_edited.png

20230120_072837-1_edited.png

<従来の骨格像>

Screenshot_20230113-211343~3_edited.png

<新しい骨格像?>

体のイメージが変わる?

「生きもの」はスポンジ?

Screenshot_20230113-211343~3_edited.png

海綿動物

世界中のあらゆる海に生息する(淡水に生息する種も存在)

海綿動物表.jpg

多細胞動物としては単純な構造で、明瞭な器官の分化が見られないが、非常に生息域の広い成功している動物群。

スポンジとして用いられる。

 ※大手通販サイトで、普通に購入可能

20230124_082541_edited.jpg
20230124_082429_edited.png

突拍子もないイメージでしょうか?

しかし、最も原始的な形態を保つ単細胞生物を見る限り

アメーバ掲載用.png

生命の最も基本的な構造は
「膜を張り、張力により自身を維持する」構造です。

水滴やシャボン玉のような泡と同じですが、この構造は生物の基本として
我々にも引き継がれています。

DSC_4332_edited.jpg

① 体内を「膜(ファシア)」で区切りつつ 連結し
② 張力によって自立しているのです
(テンセグリティ構造)

新しい器官は、より古い 原型となった器官の性質を引き継ぎます

骨もスポンジ.jpg
骨もスポンジ.jpg

強固に見える骨(進化史的には新しい)も、内部はスポンジのような構造になります。

下の骨も 海綿動物のように見えてきませんか?

DSC_4246.jpg
20200521_233331_edited.jpg

我々の体には シャボン玉・水滴の要素があり、

スポンジの要素もある。

そんな視点もあってよいのではないでしょうか?

特に、骨盤矯正 骨格矯正 カイロプラクティックに従事する方ほど

​建築物的な発想で体を理解しようとし過ぎる傾向を感じます

%E5%A1%94%E7%9F%B3_edited.png
柱石.png
DSC_4666_edited.png

弁証法的に あえて違う人体観を取り入れ、施術のアウフヘーベンを志すのも「あり」なのではないでしょうか?

~頭蓋・骨盤の精密矯正~

   SKカイロプラクティック

       渋谷整体院 院長 近藤

膜(ファシア)によるフラクタル

細胞内器官(核やミトコンドリアなど)は膜で覆われ
細胞が膜で覆われ
その細胞があつまった組織も膜に覆われ
組織同士で作った臓器も膜に覆われ・・

自己相似(フラクタル)​とは
細部を拡大すると 全体と似ている現象

自己相似形ーシダ.jpg
自己相似形ーシダ.jpg

生きものの体は
極小から極大レベルで膜に覆われているのです

細胞内小器官

細胞

組織

器官

生きもの

髄 膜 (ずいまく)

当院が施術上重視する「髄膜」も「脊髄を覆う膜(ファシア)」であり

頭蓋内で脳を守りつつ 大脳、小脳等の区分けもしています

髄 膜脳を保護しつつ 区分けしている

・硬膜
・くも膜
​・軟膜
で構成される

DSC_6360~2_edited.png

硬膜の一種

大脳鎌

小脳テント

​髄膜は中枢神経(脳と脊髄)を包み 保護する《袋》として頭蓋骨と仙骨・尾骨につながっている

 

​内部では

脳脊髄液が循環

脊髄

頭蓋骨

仙骨・尾骨

拍動する髄膜

髄膜は一定のリズムで動いています。

この動きが滑らかであることは健康に対して非常に重要です

この意義が明確に記述された書籍等は、当院の把握するかぎり アプレジャー氏の著作のみとなりますが

クレニオ.jpg

「脊柱管狭窄症(腰痛)に対する内視鏡手術」を扱ったドキュメンタリーでも

手術の最終的な成否を判断するのは

神経を圧迫していた骨の除去ではなく、

髄膜の拍動の回復でした

拍動_edited.jpg

理論ではなく、職人的な経験智の世界で大事なことなのかもしれません

(付録)

筋膜」という問題

本邦では『Fascia(ファシア)』を『筋膜」と訳すことが多いのですが、これが不要な混乱を招いていると当院は考えています

当院の意見

『Fascia(膜、ファシア)』を『筋膜(Myofascia)』と訳すと混乱しやすい

筋膜リリースを行う整体院のホームページを見ても、筋膜の説明が非常に分かりづらいことが多くなっています

同一店舗の説明(実例)

日によって説明が違います

あらためて、筋膜リリースを行う整体院の説明を分けてみると
​以下のように大別できます

​筋膜とは筋肉を包む膜

​・筋外膜

​・筋周膜

で構成される

​・筋内膜

​筋膜とは全身を包む膜

​・全身を覆う

​・全身タイツのイメージ

矛盾しています

「Fascia」(ファシア、膜)と「Myofacia」(ミオファシア、筋膜)が混同されているのです

「Myofacia」(ミオファシア、筋膜)とは筋肉を包む膜

​・筋外膜

​・筋周膜

で構成される

​・筋内膜

「Fascia」(ファシア、膜)とは全身を包む膜

​・全身を覆う

​・全身タイツのイメージ

このように説明すれば、矛盾はありません

「筋膜リリース」は英語標記で「Myofascial release」となります。
この名称からも、原則的に
【施術の対象は「膜」(ファシア、Fascia)ではなく、「筋膜」(ミオファシア、Myofascia)である】
ことが分かります

当院としては
膜(ファシア)を総称にして
筋膜、髄膜、骨膜、腹膜・・・と個別の名称を別々につけて、その役割を認識したほうが分かりやすい
と考えています

膜(Fascia、ファシア)

線維性の結合組織の総称

​内臓血管ふくめて全身を包む

筋膜(Myofascia)

​筋肉を包む膜。ファシアの一種

​・筋外膜

​・筋周膜

​・筋内膜

で構成される

髄膜

​・硬膜

​・くも膜

​・軟膜

で構成される

心膜

etc.

【筋膜とは膜(ファシア)の一種】であり

同様に【髄膜も膜の一種】ですし

【心膜も膜の一種】となります

お問い合わせ

送信ありがとうございました

bottom of page